イナズマイレブン小説
□†融ける思い
1ページ/1ページ
※炉心融解(神曲)を聞いて突発的に思いついた小説。
ストーリー性0。
すんげー長いです。
★★★
君の首を絞める夢を見た。
★★★
「あちゅや、見て!」
「どったのあにきー」
きらきらと輝く街灯り。
ネオンが忙しく光っている。
「すごいすごい、きれー」
「すごいねー!」
そう言って、ずっと二人でネオンの光を眺めていた。
不意にアツヤと繋いでいた手に寂しさが感じられた。
見ると、アツヤの手は無く。
真っ白な世界に、自分しかいなかった。
気がつくと大人になっていて。
「あに、き、」
どこからかアツヤの声が聞こえた。
「あつや、あつや」
ハッと我に返ると、自分の白い指先が、アツヤの細くて白い喉を押さえつけていた。
涙を流しながら。
何も無かったはずなのに、周りはいつしか自分たちの家になっていた。
「うわぁぁぁっ!」
叫ぶと同時に、沢山の光が溢れ、アツヤは涙を流して笑っていた。
―いつもそこで目が覚めた。
「また、か」
掠れた声で呟く。
キャラバンの中で、自分だけが聞こえる声で。
最近、毎日あの夢を見る。
全部嘘だったら。
目が覚めたらアツヤが横にいて、「兄貴」っていってくれたら。
どんなによかったかな、なんて思ったりもした。
気分が悪い。
多めに錠剤を飲んだのに、眠れない。
最近こう思うことが多くなった。
よく友達から雪みたいだって、言われる。
本当に雪だったら。
もし、核融合炉とかに飛び込んだら、一瞬で消えられるのに。
溶けて溶けて、これ以上溶けないっていうくらい簡単に脆く消えられるのに。
こんな自分でも、青く輝く、そう、あの日のネオンのような光に包まれて終われるのに。
どうして、自分が。
僕が生き残ったの?
不完全で、何も出来ない弱い自分が。
やっぱり僕は、アツヤの様にはなれなかった。
死んだ方がまだ。
消えたほうがまだ。
許されるような気がした。
★★★
静かに階段を昇る。
陰り出した空の向こうで、何かが呼んだ気がした。
少しづつ、少しづつ侵食するように、蝕むように拡散する夕暮れをぼうっと眺めていた。
アツヤの泣いたあとの瞳のような色。
融けるように、少しづつ僕が壊れる音がしたような気がした。
そしてまた眠りについた頃。
同じ夢、君の夢を見た。
春風にカーテンとマフラーが揺れて。
いつもと少し違ったのは、首を絞めているのは僕で、絞められているのも僕。
絞められている僕の乾いた唇が動いた。
泡のようで、なんと言っているか分からなかった。
アツヤが横で泣いていた。
そこで目が覚めた。
気分はいつも以上に悪かった。
首に手をあてて見る。
ひやりとした感覚が伝わり、思わず息を呑む。
「・・・ぐ、」
あてる手に力をこめ、絞めてみる。
苦しい、けど、心地いい。
そのまま力を込める。
段々意識を手放して、そこでまた、核融合炉に飛び込めたらなぁ、と思った。
あの楽しかった思い出も、心が壊れそうになった哀しい事故も。
全てリセットされるのだ。
もし飛び込めたら、また、昔のように楽しい夢をみながら、眠れるかもしれない。
そんな気がした。
いつしか白い世界に吸い込まれていって、何も考えられなくなった。
いつしか意識は戻っていた。
暗い、暗い、さっきとは真逆の黒い世界の中で、時計の秒針の音や、仲間達が笑う声が聞こえた。
嗚呼、なんて幸せなんだろう。
何も考えたくない、考えられない世界。
自分は今ここにいるのだ。
目を覚ましたくはなかった。
だけど目の前は少しづつ晴れていって、いつもの真っ白な世界に連れ戻された。
耳鳴りが消えない、止まない。
きぃん、と響いて脳を振るわせる。
いやだいやだいやだやめてやめてやめてやめてたすけてたすけてたすけてたすけてだれかだれかだれかだれかだれか。
あつや、助けて。
★★★
みんなみんな消えていく夢を見た。
広い広い世界で自分しかいない。
暗い夜の静けさもあって、胸が苦しくなって、いつしか自分は泣いていた。
頭がショートして、そんな、夢を見た。
核融合炉に飛び込んだら、そしたら、きっと、眠るように消えていけるんだ。
ねぇ、アツヤ。
僕のいない朝は、世界は、とてもとても素晴らしいんだ。
今よりもっと輝いているんだ。
全ての歯車がかみ合った、
きっと、そんな世界なんだよ。
(そして今日も夢を見る)
END.
★★★
あとがき。
なんかもう、いろいろすんませんでした。
中途半田で終わってしまって・・・
全部妄想です。
120%です。
すんげー書くの楽しかったです。
長いし意味わかんないし本当に本当にすんませんでした。
3/30 鏡子