DRRR!短編小説

□♪折れたページ
1ページ/1ページ



※裏小説


「ねぇゆまっち」


遊馬崎はくるっと振り返った。


「何ー?」


そして普段はあまり開かない目をぱっと開いた。


「そ、それ・・・!」


狩沢はニタリと笑った。


「へーぇ、ゆまっちこんなのに興味あったんだーぁ」


遊馬崎は青ざめた。


何で狩沢さんが俺が書いた成人向ど、同人誌
を・・・!


しかも黙って狩沢さんモデルにしちゃったの
に・・・!


「ゆまっちあたしのことこんな風に見えてるん
だーぁ。やだーぁ、やらしーw」


絶ッッッッ対楽しんでるゥゥッ!


あわあわと慌てる俺に、狩沢さんが耳もとでさ
さやいた。


「ねぇ・・・この本と同じことしてあげよっ
か?」


俺は最初意味がわからなかったが、分かった途端頭が真っ白になって顔が真っ赤になった。


「・・・え」


「これくださーい♪」


止めようとした時にはもう、狩沢は本を購入し
ていた。


「じゃーゆまっちの家でやろー♪」


「え、あ、・・・」


でもやるっつってもやり方わかんねぇっすよ!


とか思ってたら「あたしに任せて♪」とか言っ
てた。


心を読まれた・・・


「たんだいまーぁ♪」


狩沢は手洗いうがいを手早く済ますと、早速本を読み始めた。


「・・・・・」


熟読。


熟読。


15分後。


「読み終わったよー♪じゃーぁーはじめまーす!」


わかったから大声出さないでッ!


内心はらはらしつつも、確実に俺は興奮していた。


「ゆまっちはーぁ、そこの畳から出ちゃ駄目だよーぉ?」


指でつつっと線を引く。


そこ仕草が可愛すぎて、俺は何もいえなかった。


「えっとー・・・」


たしかこの本は女の子が一人Hする本・・・


―まさか。


この本の最初らへんは、えっと・・・


「・・・んっ、」


狩沢の細くて長い指が、薄い下着をすべるように蠢く。


「あっ、ああっ、ひ!」


下着の中で透ける指が何とも厭らしい。


「ゆまっち・・・、ゆ、ゆま、ひゃぁっ!」


俺の名前?


どうして・・・。


トロッと愛液が零れた瞬間が、俺の我慢の限界だった。


「か、狩沢さぁぁんっ!」


「ゆ、ゆまっち・・・?あっ、」


狩沢は生理的に零れた涙で瞳を濡らしながら、ぱちくりとさせた。


「ゆ、ゆまっち、どうしたの?」


俺は彼女をぎゅっと抱きしめた。


「駄目っ、駄目っす!狩沢さん!そんなことしないでくださぁい!そんなことしちゃ、俺、
俺・・・!!」


彼女は俺が抱きしめている手を強く握って、呟
いた。


「だって・・・」


「え?」


狩沢は本当に泣き出した。


「ゆまっちがっ、あたしのことっ、抱いたりするからぁぁぁっ!!」


・・・?


俺が?


狩沢さんを?


抱いた・・・?


「だって、えぐっ、ゆまっちがぁっ、最近んんっ、ひっ、うっ、あたしのことぉっ、見てくれなかったからぁっ、何でも良かったからぁっ、あたしを見てほしかったのぉっ!」


遊馬崎の胸に顔をうずめ、泣きじゃくる彼女
に、俺は思わず問い掛けた。


「か、狩沢さん。俺が狩沢さんを抱いたのいつか覚えてますかっ?」


表情を隠したまま、か細い声で答えた。


「・・・一ヶ月前位・・・」


一ヶ月前?


俺の頭に景色が甦った。


「あぁっ!」


あの皆で飲みにいったときに酔って・・・?


俺が彼女を追い詰めてたんだ・・・。


「ごっ、ごめんなさいごめんなさい狩沢さん
っ!俺のせいっす!俺が悪かったっす!だからっ、・・・!」


彼女の顔を俺に向かせて、優しくキスをする。


「そんなこと、しないでください。」


あの時は酔ってだったけど、今は違う。


「俺、責任とります!狩沢さんが好きです。」


最後に、二次元の誰よりも、とつけたした。


あんな本を出したのも、貴方が愛しかったか
ら。


「本当?あたしもゆまっちのこと好きだぁ」


そして俺は畳に引いた指の線を飛び越え、彼女を勢い良く押し倒した。



END.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ