DRRR!短編小説
□♪折れたページ
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※裏小説
「ねぇゆまっち」
遊馬崎はくるっと振り返った。
「何ー?」
そして普段はあまり開かない目をぱっと開いた。
「そ、それ・・・!」
狩沢はニタリと笑った。
「へーぇ、ゆまっちこんなのに興味あったんだーぁ」
遊馬崎は青ざめた。
何で狩沢さんが俺が書いた成人向ど、同人誌
を・・・!
しかも黙って狩沢さんモデルにしちゃったの
に・・・!
「ゆまっちあたしのことこんな風に見えてるん
だーぁ。やだーぁ、やらしーw」
絶ッッッッ対楽しんでるゥゥッ!
あわあわと慌てる俺に、狩沢さんが耳もとでさ
さやいた。
「ねぇ・・・この本と同じことしてあげよっ
か?」
俺は最初意味がわからなかったが、分かった途端頭が真っ白になって顔が真っ赤になった。
「・・・え」
「これくださーい♪」
止めようとした時にはもう、狩沢は本を購入し
ていた。
「じゃーゆまっちの家でやろー♪」
「え、あ、・・・」
でもやるっつってもやり方わかんねぇっすよ!
とか思ってたら「あたしに任せて♪」とか言っ
てた。
心を読まれた・・・
「たんだいまーぁ♪」
狩沢は手洗いうがいを手早く済ますと、早速本を読み始めた。
「・・・・・」
熟読。
熟読。
15分後。
「読み終わったよー♪じゃーぁーはじめまーす!」
わかったから大声出さないでッ!
内心はらはらしつつも、確実に俺は興奮していた。
「ゆまっちはーぁ、そこの畳から出ちゃ駄目だよーぉ?」
指でつつっと線を引く。
そこ仕草が可愛すぎて、俺は何もいえなかった。
「えっとー・・・」
たしかこの本は女の子が一人Hする本・・・
―まさか。
この本の最初らへんは、えっと・・・
「・・・んっ、」
狩沢の細くて長い指が、薄い下着をすべるように蠢く。
「あっ、ああっ、ひ!」
下着の中で透ける指が何とも厭らしい。
「ゆまっち・・・、ゆ、ゆま、ひゃぁっ!」
俺の名前?
どうして・・・。
トロッと愛液が零れた瞬間が、俺の我慢の限界だった。
「か、狩沢さぁぁんっ!」
「ゆ、ゆまっち・・・?あっ、」
狩沢は生理的に零れた涙で瞳を濡らしながら、ぱちくりとさせた。
「ゆ、ゆまっち、どうしたの?」
俺は彼女をぎゅっと抱きしめた。
「駄目っ、駄目っす!狩沢さん!そんなことしないでくださぁい!そんなことしちゃ、俺、
俺・・・!!」
彼女は俺が抱きしめている手を強く握って、呟
いた。
「だって・・・」
「え?」
狩沢は本当に泣き出した。
「ゆまっちがっ、あたしのことっ、抱いたりするからぁぁぁっ!!」
・・・?
俺が?
狩沢さんを?
抱いた・・・?
「だって、えぐっ、ゆまっちがぁっ、最近んんっ、ひっ、うっ、あたしのことぉっ、見てくれなかったからぁっ、何でも良かったからぁっ、あたしを見てほしかったのぉっ!」
遊馬崎の胸に顔をうずめ、泣きじゃくる彼女
に、俺は思わず問い掛けた。
「か、狩沢さん。俺が狩沢さんを抱いたのいつか覚えてますかっ?」
表情を隠したまま、か細い声で答えた。
「・・・一ヶ月前位・・・」
一ヶ月前?
俺の頭に景色が甦った。
「あぁっ!」
あの皆で飲みにいったときに酔って・・・?
俺が彼女を追い詰めてたんだ・・・。
「ごっ、ごめんなさいごめんなさい狩沢さん
っ!俺のせいっす!俺が悪かったっす!だからっ、・・・!」
彼女の顔を俺に向かせて、優しくキスをする。
「そんなこと、しないでください。」
あの時は酔ってだったけど、今は違う。
「俺、責任とります!狩沢さんが好きです。」
最後に、二次元の誰よりも、とつけたした。
あんな本を出したのも、貴方が愛しかったか
ら。
「本当?あたしもゆまっちのこと好きだぁ」
そして俺は畳に引いた指の線を飛び越え、彼女を勢い良く押し倒した。
END.