名探偵コナン

□漆黒のアリア
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「潜入捜査、ですね」


「ああ、」









最期の戦いが始まる。
赤井さんはきっと、掴んだ尻尾を易々と逃すような人じゃないから。


きっとこれが、最期。









「ジョディさん、大丈夫かな、」


「上手くやるだろう、あいつがあの女に懸ける意気込みはすごいからな」










(ベルモット、)




あの方のお気に入りであり、ジンが信用のおけない奴だと言った女。


実際逢ったわけではないけれど、一通りの情報は手に入れている。





(でも何故、)




何故、新出という医師に成り済ましているのか。


今までジン以外の組織の人に関わることはなくて、時々ウォッカと挨拶をかわす程度の狭い世界だったから。


私はベルモットと言う人のことを、何も知らない。










「赤井さんも潜入、するんですか?」


「いや、俺は監視だ。勿論名無しさんもな」


「………はい、」











赤井さんはきっと、ジンまで辿り着く。


けど。


きっと、ジンのほうが上手だ。
それは変わらない、事実。














「忙しく、なりそうですね」


「気を抜いてはいられないな、」










いつか必ず来る最期。
目を背けることは、出来ないけど。











「赤井さん、」


「…………、?」


「気をつけて下さい、」












今だけは。
そう紡ぐことを赦して欲しかった。


たとえ、偽りだとしても。


























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