「秀っ、名無しさんっ、大丈夫、?」「早かったな、……その男は捕まえておいてくれ、それと、医者を早く、」「……名無しさんっ、…」明け方。思ったよりも早く、ジョディたちが来て。俺の腕の中で眠るお姫様を見て、慌てて救急車を呼んで。目まぐるしく、状況が変化する中で、腕の中の温もりだけは、変わりなくそこに存在していることが、何故か嬉しく感じた。「……早く元気になれよ、」頬にかかった、さらさらの髪を梳きながら。静かに眠る名無しさんを起こさないように、抱き上げた。