御馳走(戴物)

□《続アイドル伝説・百介》
1ページ/1ページ

それから四半時たって

「西村屋さん!御本尊様(百さん)を付けていた不届きものをとっつかまえました!」

若群集の一人が何や何やら解らない様子の青年を西村屋に突き出した。

「よし良くやった!お前らには百ちゃんの絵板(ステッカー)をやるからな!」
若群集から喚声が上がる。

「そやつは百ちゃん守る法壱百弐拾四条
《如何なるときも抜け駆け禁止》で牢屋にぶち込んでおけぃっ!」

「ちょ、ちょいとお待ちを!!」

「問答無用!!後は看守に聞け!」


青年は勿論、由衛門。

由衛門は訳を話し、許して貰えるまで三日間まるまるかかったらしい。

そして彼は何故か百介辞典作成グループに入隊。

後日、またもや緊急会議が開かれた。


「西村屋さん!やはり百さんを日替わり単独で見守っていたほうが良いのでは?」

会員達の言葉に、頭を抱える西村屋。

「いや、それは抜け駆けだ。
わしがイヤ。
何より江戸界隈は会員が網目と同じく点在しておる。
その必要性はない。

しかし!確かにこの頃不届きが多いのはどうにかせればならぬ。
う〜ん……」

「西村屋さん!
火に油を注ぐようで言い難いのですが」
「……何だ?」

悩ましい顔の西村屋。

「田所様から寄せられた情報に寄りますと……ぐばあぁっ!」

ぎゃー!
資料を読み上げようとした若者がいきなり血を吐き、倒れた。

「どっどうした会員352号!?」

「ぐぼあっ!!」

「どむぅっ!!」

「256号!395号も倒れましたぁ!」

続けてそれを読もうとした群集が次々に倒れだした。


「みっみなどうしたぁ!?」

「たっ大変ですぅ西村屋さん!御本尊様が処女喪失ぐばあああっ!!」


「誠かぁあ!?うぎゃああ……わしも、もうだめだっ……!」




その噂は風邪の様に広がり、会員全てが血を吹き大変な騒動になった。

奉行所は新手のテロかと出動したが、田所は鬱で出られなかった。

その頃の百さんというと。


「又市さん」
「へぇ」
「寒いですね」
「……来やすかい?」
又市は百介の思想を察して手を引いた。

百介は笑い、又市の胡座に座り胸に収まった。

「先生て意外に甘えん坊なんでやすねぇ」

「違いますよ。
冬は寒いからです。
夏は私に触らないで下さいね」

「じゃあ今のうちに触っておきやすよ」
「あはは〜宣言撤回」



又市とloveloveランデブー。



さてはて『桃・助・講』はこの現実に気づいてしまったらどうなるのか!?


次回『桃・助・講』存続の危機
百介の幸せをとるか?このまま自分達の清純アイドルにするか?


又さんに如何なる矛先でもが向かない又さん贔屓で行ってみよう!


11/1 【天体宮殿+観測病院】“不知火”様よりの賜物。
続けて読んで頂ければ。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ