狩猟2(リクエスト)
□キリバン3000リクエスト
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『貴方に……想われる程の価値など、私の何処にも無いでしょうに……』
そんな風に。
心底そう思い込んでいるみたいで。
今にも何処かに消えてしまいそうに、百介が呟くから。
「先生ェっ」
ぎゅっと、細身の肩に腕を回して、突然の抱擁に驚く百介を、又市はしっかり抱き締めた。
「俺は、先生ェがっ」
百介さんがっ。
好きなんだ。
どぅ仕様も無い位に、アンタに心底惚れちまってるんでさ。
その優しさも、お人善しな処も、気が弱そうでいて強情な頑固者な処も。
「消したりしねぇでくれ。ずっと、俺の側で、咲き続けていて下せぇ」
首に巻き付く腕に、ゆるりと手を重ねて、百介は静かに言葉を落とした。
「又市さん……」
掴まえていて下さいますか?
ずっと、貴方の腕に、私を捕らえていてくれますか?
百介は、抱き付く又市の短い頭髪に、愛しそうに頬を擦り寄せた。
「……又市さん」
2007.09.08 -END-
[あとがき]
キリバン3000リクエスト、“あいこ”様
少しでもリクエスト希望に添いましたでしょうか
お怒り、苦情、御座いましたら、謹んで御請け致します。
(目茶苦茶甘い又百ってのは、ザブもOKってことだったっスか)