絵本百物語(辞典)

【て】 3件

【手洗鬼 (てあらいおに)】
第十四“てあらひおに”讃州高松より丸亀へかよふ入海あり。
其間の山々三里をまたげて手をあらふものあるよし。
名はいかゞにや知らず、
たゞ讃岐の手あらひ鬼といふ。

恐らくは、ディダラボッチのような古代鬼神のこと。
このような巨神伝説は日本だけでなく、世界中にあります。
愛すべき鬼の、一つの姿。
絵本では『三コ』って話が割と有名。


【手負蛇 (ておいへび)】
《後巷説3》“ておひへび”蛇を半殺して捨置しかば、
其夜来りて仇をなさんとせしかども、
蚊帳をたれたりしかば入事を得ず。
翌日蚊屋の廻り、
紅の血しほしたゞりたるが、
おのづから文字のかたちをなして、
あだむくひてんとぞ書たり。

原作では、百介さんから又市さんへの初にして本格的な依頼の話。
蛇を殺すと七代祟る、とか。
でも逆に、家守りとしてデカい青大将を大事にしている古い屋敷もあります。
攻撃性の高い毒蛇でない限り、蛇は放っておけば無闇に人に襲いかかることはありません。念の為。
ちなみに、ツチノコは蛇か全くの亜種であるか、はミステリーファンにとっては結構深刻な問題。


【天火 (てんか)】
《後巷説2》“てんくは”またぶらり火といふ。
地より三十間余は魔道にてさまざまの悪鬼ありてわざわひをなせり。

又市さんに向けて非難轟々な原作。
何も百介さんを泣かせることは無かったじゃないかぁ〜っ、な理由はありますが、同人ネタとしては戎島での話とともに多いです。
個人的に「百介さん…怖ぇ〜」と思ったのは、余りにも天候の崩れと百介さんの心理状態が一致して書かれていた為。



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