絵本百物語(辞典)

【の】 3件

【野狐 (のぎつね)】
第三十三“のぎつね”きつねの桃燈の火をとり蝋燭を食ふこと
今もまゝある事になん。

狐、これほど人気を二分する妖獣はいないのだろう、と個人的感想。
狸の場合は、陽気とか祭り好きとかオッさんなイメージもしますが、狐となると一転。
妖艶、怪美、という女性(しかも妙齢な滴るような美女の)イメージがするから不思議。
日本だけでなく、これは中国からの影響もあるのではないか、というのが大筋。
「騙されたい位の佳い女」というからには、差しつ差されつ狐美女と酒を酌み交わしてみたい、と思うのは礼生だけではない筈
絵本では『おこんじょうるり』がお薦め。
ちなみに狐憑きは、この“野弧”の仕業とされています。いずれ稲荷の眷属でも修行の身でもなく、いわば野良狐の事。


【野宿火 (のじゅくび)】
第七“のじゆくび”きつね火にもあらず、
草原火にてもなく、
春は桜がり、秋は紅葉がりせしあとに、火もえあがり、
人のおほくさわぎうた唱ふ声するは
野宿の火といふものならん。

霊達が集まり騒ぐ、らしいです。
つーか花見や紅葉狩りの行楽後に火が出る、というのだから「ゴミ対策?」
いやいやいや、江戸にポイ捨てはあったかどうかから検証しなくては
いずれにせよ、怪異現象の一つ。


【野鉄砲 (のでっぽう)】
《続巷説1》“のてつぽう”北国の深山に居る獣なり。
人を見かけ蝙蝠のごとき物を吹出し、
目口をふさぎて息を止め
人をとり食うとなり。

軍兄ィ、初登場の巻。
これがもぅ「弟溺愛」つーのも含めてか、同人人気が高い軍兄ィです。
ちなみに、野鉄砲とは「モモンガの子分」とも言われてました。ムササビのこと(現実にいる動物です)
更に蛇足「モモンガは旨いで〜」だそうです。捕っちゃいけません、捕っちゃ保護動物に指定されてますからっ



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