ぷよ魔導書籍
□表裏一体の猫事情
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アルル、見せたいものがある。
後でワタシの城まできてくれないか?
そんな感じの一言でアルルは魔導学校の放課後、サタンに半ば強引気味に城まで引き連れられてこられた。
「サタン何なの、その機械は?」
アルルはというと、強引に連れられてこられたことに関しては特に怒ってはおらず、むしろ目の前に見せられた機械に興味を持った様子だ。
「フハハハ!アルルよ、よくぞ聞いてくれた。これはだな、ワタシがその昔合成獣キマイラを生み出す際に用いた複数の生物を一つの個体にする合成マシーンだ。すごいだろう?」
サタンはサタンで手を機械の方へ向けつつこの機械がどんなものなのか説明しているのだが、見せびらかしといて自慢するその様はまるでどこぞのガキのようだが、少なくともサタンは嬉しそうに話していた。
その機械、合成マシーンは二つのポッド、人一人が入るくらいのが対となる形で間に挟まれるようにこの機械を動かすと思われる小型の装置が取り付けられているだけの簡素な物だった。おまけに塗装もされていないようなのでなんとなく胡散臭さが漂っていた。
「ま、キミのことだからろくなコトに使わないんだろうケド……」
「え?ちょちょちょ待つのだアルル!ここで帰られたらワタシ困る!泣いてクソして寝ちゃう!」
アルルがまさか自分の悪巧みに気付き始めたことがよほど予想外だったのか、サタンは下品かつ幼稚な言葉を発しながら慌てふためいていた。
〜表裏一体の猫事情〜