のべる2
□サボテンの奇跡
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「もしもし、不二クン?」
『白石?』
夏休みが終わって初めての土曜日の午前中。俺は意を決して、片思いの相手である不二クンに電話をかけた。
全国大会が終わってから何度かメールはしとったが、電話したのはこれが初めてやった。
『電話なんて珍しいね』
「あー、せやな…」
電話したんは声が聞きたかったから。やけど、そんなこと言えへんから言葉を濁す。
「ふ、不二クン、今日なんか用事ある?」
『いや、特にないよ。部活終わってから暇になっちゃって…。それがどうかしたの?』
「あ、なんとなくなんやけどな。…えっと」
『?』
今すぐ不二クンに会いたい。
そう俺が言ったら、迷惑やろか。
沈黙が続いてしまう。不二クンも不思議がって何も話さん。もういっそ電話を切ってしまおうか。
諦めかけていた瞬間。
ブスッ
「あいたい!!」
『へ?白石!?』
めっちゃ痛いっ!!何や今の!?
部屋にあるサボテン(不二クンがサボテン好きやって小春が言っとったから俺も買った)が棘を飛ばしてきて、その棘は俺の右手に刺さった。
『どうしたの?』
「や、なんやわからへんけど、あいたい!…今、あいたい!」
なんやわからへんけど、今、サボテンの棘が飛んできた。
と言いたかったが、サボテンの棘がまた右手に刺さり、上手く伝えられへん。
このサボテン…!エエ加減に……
『僕も…!』
……え?
『僕も会いたい!』
ええええええ!?
「あーーーーー!!」
東京にいる不二クンに会いに行くため、俺は家を飛び出し、叫びながら全速力でチャリを漕いで大阪駅に向かった。
FIN
結構昔のCMなんですが、覚えてる方いるでしょうか;; インテル入ってるってヤツ。
このCM大好きでした。女の子は可愛いし、男の子は一生懸命だけど面白くてバカ可愛い(笑)
ピュアで青春っぽいところが好き^^