のべる

□SummerStyle
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「ほな。お勉強しよか、不二クン」

「あ、僕化学でわかんないところあるんだけど…教えてくれる?」

「エエよ。見せてみ」



〜SummerStyle〜



全国大会が終わり、不二が大阪にいる白石の所へ泊まりに来た。
あのまま試合しただけで終わってしまうのは寂しい気がして、白石は不二の連絡先を聞いた。


――これは俗に、一目惚れ、てヤツか?――


正直、白石は不二に対してどういう気持ちを持っているか自分でもわからない。

ただ、自分の誘いに快く頷いてくれて嬉しいという気持ちになった。

本当はもっとテニスをしたり、大阪名所巡りをしたかったが、二人は受験生。
不二は高校もある私立校に通っているが、勉強を甘く見ない。当然と言えばそうなのだが、
…真面目な誰かさんに毒されたかもしれない。


「どの問題なん?」

「あ。ちょっと待って…」

不二は筆記用具とともに何か取り出した。

それは、黒いゴム。

何に使うんやろ、と白石が思っていると、不二は髪を後ろで束ねてその黒いゴムで止めた。


「えっと、ココなんだけど…白石?」

反応のない白石に声をかける。
白石は未だ不二を見つめていた。
髪を結ぶという動作もない行動なのに、不二がより美しく見えたし、露になったうなじが何ともなまめかしい。

見かねた不二が再び声をかける。

「男が髪結ぶっておかしい?」
「そうやないけど…」

むしろ色っぽい…とか言ったら彼に失礼かもしれない。

昔、姉に遊びで髪を結ばれて以来、暑い日は一つにまとめるようになったらしい。


「家にいるときだけだよ。でも結構涼しくなるんだ。」


髪が邪魔なら切れば、と白石は思ったが一瞬でその考えを止めた。
彼のようなキレイな髪は切ったらもったいないと思ったからだ。
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