戦争の恋歌

□『戦争の恋歌』第一弾・前編
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―――韓国の某田舎

学校から帰って来た村の子ども達がある一件の家に集まった。

「おじいちゃん居るかなぁ・・・」

「居るだろ、いつもこの時間には居るんだから・・・」

子ども達にとっては幼少期からの付き合いであり、心優しい老人として有名である。

なので、村の子ども達はこの老人が大好きなのだ。

「「「貞桓おじーちゃーん!」」」

子ども達の声が響くと縁側から杖を付いた貞桓(ジョンファン)と呼ばれた老人が現れる。

もう目が見えないのか、目は細い。

来るなり、子ども達は

「聞いてくれよおじーちゃん!」

「日本の奴許さねぇよ!」

「独島は俺達の国のものなのに!!」

いきなり日本の悪口を言い出した。

現在、島の領有権の事で日本と揉めているのだ。

都会では度々暴動まで起こっている。

老人は縁側に座り

「お前達、そんなに日本人が嫌いか?」

と訊ねる。

子ども達は一斉に頷き

「嫌い!」

「大嫌い!」

「うじうじしてて弱々しいし!!」

悪印象を並べた。
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