戦争の恋歌
□『戦争の恋歌』第一弾・前編
2ページ/7ページ
―――韓国の某田舎
学校から帰って来た村の子ども達がある一件の家に集まった。
「おじいちゃん居るかなぁ・・・」
「居るだろ、いつもこの時間には居るんだから・・・」
子ども達にとっては幼少期からの付き合いであり、心優しい老人として有名である。
なので、村の子ども達はこの老人が大好きなのだ。
「「「貞桓おじーちゃーん!」」」
子ども達の声が響くと縁側から杖を付いた貞桓(ジョンファン)と呼ばれた老人が現れる。
もう目が見えないのか、目は細い。
来るなり、子ども達は
「聞いてくれよおじーちゃん!」
「日本の奴許さねぇよ!」
「独島は俺達の国のものなのに!!」
いきなり日本の悪口を言い出した。
現在、島の領有権の事で日本と揉めているのだ。
都会では度々暴動まで起こっている。
老人は縁側に座り
「お前達、そんなに日本人が嫌いか?」
と訊ねる。
子ども達は一斉に頷き
「嫌い!」
「大嫌い!」
「うじうじしてて弱々しいし!!」
悪印象を並べた。