戦争の恋歌
□『戦争の恋歌』第二弾・中編
2ページ/8ページ
にぃにが亡くなり、傷心していた頃
また新たな重圧がかけられた。
いつものように学校へ来た筈なのに、今日はいつもと違った。
「我が校でも従軍看護婦を募る事となった。
お前達の中に志願しない非国民は居ないと思うが、強制では無い!」
そう、看護学徒の募集がウチの女学校にも来た。
「そして、婦長として養護教員の照屋先生が従軍する!」
私達に拒否権は無い・・・と言う事になる。
否定すれば非国民になってしまう。
私達は従軍する他無かった。
「以上!」
途中まで聞きそびれたけど、先生は教室を出た。
私は久美子の机に向かい
「久美子・・・」
早速、親友の事を心配する。
「・・・ユイちゃん、志願するの?」
と聞かれ
「・・・うん、にぃにもお国の為に死んだのに私だけ逃げる訳にはいかないよ」
と答えた。
「・・・なら私も志願する!」
大人しい久美子の決断に
「・・・大丈夫なの?」
やはり心配した。