戦争の恋歌
□『戦争の恋歌』第二弾・中編
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久美子は作り笑いで
「だって、従軍看護なんだから・・・大丈夫よ、戦争する訳じゃないし」
と答える。
だから私も
「そうだよね・・・」
一緒に笑い合った。
すると
「ねぇ知ってる?」
「あー、あの噂ね」
「中学生や実業学校も学徒兵になるって・・・」
「別に可笑しく無いよね、私達が従軍するんだもの」
「そうね、弟の学校も軍事教練してたし・・・」
男子の学校の噂が耳に入る。
実業学校?
それじゃあ・・・武人の学校も、って考えてしまう。
あり得ないあり得ない・・・あの馬鹿が兵隊が務まる筈が無い。
何故か、志願しない事を願ってしまった。
「・・・武人、大丈夫かなぁ」
思わず呟く。
「仲間君の事心配なんだね・・・?」
と聞かれ
「うん」
無意識に頷いた。