another恋愛ゲーム

□恋愛ゲーム
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「雪樺ちゃん。」



名前を呼ばれ雪樺ちゃんは俺を見た。



『ああ、基山君。どうしたの?』



基山君、なんてよそよそしい。



俺は共犯者なんだから名前で呼んでくれたっていいのに。



「ヒロトって呼んでよ。」



俺は要件をそっちのけにして言った。



俺にとってはこっちの方が重要だしね。



『名前で呼び合って恋人気分を味わいたい?』



ゆっくりと焦らすように俺に近寄る雪樺ちゃん。



「うん。」



俺は素直に頷いた。



どうせ彼女に嘘や隠し事は無駄なんだから。



『ダメ、まだ早いわ。』



「じゃあせめて二人の時だけ。」



『ダーメ。もうちょっと待って。』



なんで?



二人の時なら問題ないじゃん。



『そう言えば、メアドとか交換してなかったからしよっか。』



雪樺ちゃんは携帯を取り出した。



俺も携帯をポケットから出し、電話番号とアドレスを交換した。



雪樺ちゃんは携帯の画面から俺に視線を向けた。



『それでさ、要件って名前で呼んでほしいじゃないでしょ?』



雪樺ちゃんは携帯をポケットにしまい込んだ。









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