高潔な氷晶と病みし双色

□高潔な氷晶と病みし双色
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授業が終われば鎖夜は鞄を掴み教室を出た。



向かうは屋上。



重たい音を立てて金属で出来た扉が開いた。



風が鎖夜の髪をふわっと浚う。



鞄を持ち直し、後ろ手で扉を閉めた。



ゆっくりとフェンスに近寄り、鞄を脇に下ろし、フェンスを背に座った。


絶対に背は付けない(外れて落ちたら元も子もない)。



鞄の中からパックジュースと弁当箱を出し、膝の上に置く。



弁当を食べながらやっぱり一人は落ち着くと、髪を耳に掛けながら思った刹那。



ドアが開いた。



『ぁ...。』



「....。」



目を向ければ自然と声が漏れた。



あまり思いたくはないが、どうやら私は彼と縁があるらしい。



両者に沈黙が続き、黙って見つめ合う形になる。



鎖夜はいつまでも目が合っているのは、自分が見ているからだと思い直し、視線を弁当に戻した。



弁当のおかずを口に放る中、何を思ったのか風介は鎖夜の隣に腰を下ろし、コンビニで買ったのだろうサンドイッチを食べ始めた。








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