高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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鎖夜は他人にどう思われようが、他人の思考に興味などなかった。
ただ涼野君が何故自分に構うか...それだけが気掛かりだった。
不意に昔自分にしつこく付き纏ってきた彼女を思い出した。
名前も思い出したくはない彼女。
私の親友だった。
だった...過去形なのは今は親友でも何でもない他人だ。
彼女に出会ったのが中学校一年生の時。
小学校の何人かの同級生が同じ中学校に来た為に私の噂は見る見るうちに広がり、誰も私に近寄りたがらなかった。
そんななか、一人だけ私に近寄ってきた子がいた。
エリカ。
彼女は可愛かった。
それ故に誰からも人気のある女の子だった。
それにお金持ちでそれなりに頭も良かった。
欲しいものは何でも手に入れてた。
何よりも自分自身を愛していた。
自分とは全く逆の彼女に好意を抱くのに時間は掛からなかった。
言っておくがレズビアンではない。
ただの憧れだ。
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