高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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毎朝6時に起きる。
お弁当作ったり、身支度を整えればあっという間に時間は過ぎていく。
時計を見れば7時15分だ。
ああ、電車に間に合わなくなっちゃう。
鎖夜は急いで鞄に弁当を詰め込み、駅に向かった。
駅には5分で着く。
改札口を通り、ちょうど到着した電車に乗り込んだ。
ただでさえ通勤ラッシュで込んでるのに、いつもと違う車両(改札口から一番近い車両だ)に乗った所為か更に込んでいた。
駅に着く度、人が減ったり増えたりを繰り返していた。
しかしやっぱり同じ制服を来た人たちが増えてきていた。
気分はそう、おしくらまんじゅうやっている気分だ。
それ程満員でもなく、肩がぶつかる程度だか、人間嫌いな鎖夜には十分な程にそう感じさせ、気分を悪くさせた。
肩から鞄がずり落ちる。
身動き出来ないから肩にかけ直せない。
鞄を掛け直すのを諦めた瞬間、違和感を感じた。
目の前の男が胸を触っている。
ちちちっ痴漢っ!!?
鎖夜は恐怖と混乱で声が出せず、ぎゅっと目を瞑った。
男が笑った気がした。
目尻に涙が浮かぶ。
助けてっ!!
心の中で叫んだ刹那。
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