高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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朝、昇降口に行く途中、鎖夜は晴矢に呼び止められた。
鎖夜は足を止め、晴矢を見た。
「鎖夜!!」
名前を呼びながら、駆けてくる姿はさながらは母親を見つけた迷子の子供の様にも見えた。
それか飼い主に駆け寄ってくる犬。
どちらかと言うならば後者が近い。
『南雲君、おはよう。部活の方はいいの?あと私の事は出来れば苗字で呼んで欲しいんだけど。』
鎖夜は息も乱してない晴矢を見て流石運動部と感心した。
「へーきへーき。今休憩中だから。呼び方は俺の自由だろ?」
そう言ってへらっと笑った。
『そうなんだ。』
呼び方に関しては諦めるしかなさそうだ。
晴矢はサッカーのユニフォームを着ていた。
涼野君と同じ部活...。
なる程、転校生のサッカー部三人の内の一人に南雲君がいるのか。
じゃああとのもう一人は誰なんだろうか。
これ以上転校生のサッカー部の人が私に関わってくると私の平穏なスクールライフが終わってしまいそうなのだが。
涼野君と南雲君と面識のある私は女の子達からは羨ましい立場らしい。
私は全く関われない君達が羨ましいよ。
私は南雲君に連れられ屋上に来た。
南雲君はよくここにサボりに来るらしい。
鎖夜は屋上のフェンスに寄りかかった。
壊れない事は随分前に確認済みだ。
涼野君に確認してもらった。
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