高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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「あ、そう言えば鎖夜ちゃん...、」
ヒロトは何かを思い出したように声を上げた。
何よ、と視線を向け、続きを促す。
名前で呼ぶなと言っても聞かないのでもう諦めた。
「どうしよっかなぁ〜?」
勿体ぶる言い方に腹が立った。
『ウザい。』
ピシャリとヒロトに言えば彼は傷付くよ?なんておどけたように言うもんだから、思わず手が出てしまった。
ヒロトは叩かれた頭を片手で撫でながら口を開いた。
「ここじゃ、ちょっと...、ね?」
そう言葉を濁した。
『場所を変えるって事?』
眉間に皺を寄せ、怪訝そうにヒロトを見る。
「そ、屋上行かない?」
『変な事したら殴るから。』
鎖夜は睨み付け、釘を刺した。
ヒロトは物騒だなぁなんて肩を竦めた。
二人は屋上に移動した。
運良く誰もいない。
ヒロトはフェンスに寄りかかり、口を開いた。
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