高潔な氷晶と病みし双色

□高潔な氷晶と病みし双色
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鎖夜は屋上ではなく、校舎裏にやってきた。



ここ、校舎裏には滅多に人が来ない。



だから決まって何かあれば鎖夜は校舎裏にやって来ては病んだ。



今回もまたそのパターン。



減らせない減らないっ!!



減らないよ、減らないよ、減らないよ!!



苦しみが減らせない!



苦しいのはイヤ!



いやだいやダイヤだ。



『もう、イヤだ。』



鎖夜がそう呟くと、ザッと砂を踏む音が聞こえた。



「またここにいたのか...。」



眼帯で隠れていない鎖夜の瑠璃色の瞳が風介の錆浅葱色の瞳と視線が絡む。



『涼野君...、』



「何が嫌なんだ?」



風が吹き、風介の寝ぐせなのかよく分からない色素の薄い裏葉色の髪を風が揺らした。



『....テスト。』



鎖夜は暫くの沈黙後一言だけ呟いた。



風介は驚いた。



きっと彼女は何がいやなのか教えてくれないと思っていたから...。



彼女は弱みを見せたがらないから。



少なくとも今までなら関係ないの一言で切り捨てられていただろう。








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