高潔な氷晶と病みし双色

□高潔な氷晶と病みし双色
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鎖夜は一人校舎裏に立っていた。



ああ、もういやだ。



やっぱり苦しみは増えていく一方だ。



鎖夜はその場にしゃがみ込んだ。



勉強なんてやっぱり無理だよ。



分からない事だらけだよ。



「鎖夜。」



名前を呼ばれた。



知らない声だった。



顔を上げればどこかで見たことある顔。



「やっぱり鎖夜だ。鎖夜は何も変わらないね、小学校の時から何も...。」



そう言って近付いてくる年の変わらない青年と言うには幼さ残る少年。



『星哉...?』



幾分か声が低くなっていた所為顔を見るまで分からなかった。



「そうだよ嬉しいよ!」



狂喜じみた声、目の前の人間が死んだ驚喜、目の前の死体を映す瞳に狂気、その手に持つ血が滴る凶器。



血、赤い、朱い、怖い、血、血、恐い、血液、紅い...。



鮮明のくすぶり返す紅い記憶。



押し寄せる恐怖。



『...っ!!..ぁ、ぃや、助けて助けて...いやいやいやいやぁぁぁああっ!!!』



あまりの恐怖に鎖夜は気を失った。







真紅に染まった過去



(紅い、紅い...、)


(深紅の辛苦。)







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