高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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星哉が鎖夜のスカートに手を伸ばした瞬間、扉の向こうから声が聞こえた。
「アトミックフレアっ!!」
勢い良く扉が蹴破られた。
そこにいたのは晴矢、風介、ヒロト。
「何なんだ!?不法侵入に器物損害で訴えるぞ!!」
邪魔者が入って星哉は不機嫌そうな顔を彼らに向けた。
「それはこっちの台詞だよ、星哉。」
口を開いたのはヒロトだった。
「なんで俺の名前....ああ、そうか、思い出した。その髪色...お前、基山ヒロトか。中途半端な時期に転校してきたからよく覚えてる。」
記憶をいくらか辿れば思い出される。
朱く鮮やかな髪色。
真意の掴めないピーコックグリーンの瞳。
それは今も変わらない。
「俺も君の事はよく覚えているよ。殺人の前科ありでしょ、君。」
ヒロトはそう言って軽蔑の眼差しを星哉に向けた。
冷たくて鋭い視線が星哉に突き刺さる。
その視線が鎖夜を襲った痴漢を見た時のあの視線より鋭くて、恐かった。
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