高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
1ページ/2ページ
鎖夜は一人校舎裏に立っていた。
ここが全ての、私の日常を変えるきっかけとなった場所だ。
初めての告白も、人が死んだのも、涼野君に会ったのも、星哉に誘拐されたのも...、
校舎裏。
ここが全ての始まりなんだ。
「鎖夜。」
後ろから名前を呼ばれ、ゆっくりと振り返る。
「やっぱりここにいたのか。」
風介は鎖夜に歩み寄った。
『風介...。』
一陣の風が二人の髪を浚う。
鎖夜は風介に抱き付いた。
「珍しいな、鎖夜が甘えるなんて。」
『人前じゃないからね。』
ギュッと風介の服を掴む手に力を込めた。
『傍にいて。』
.