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「9時20分だよ。」



ヒロトが言った。



ヒロトが時間を告げれば、ゆっくりと雪樺がヒロトを見上げた。



洋紅色の双眸と、ピーコックグリーン双眸の目が合う。



雪樺の視線が何故ここにいるのかと言っていた。



「俺もサボりだよ。」



ヒロトは笑みを浮かべた。



いつもならこれで落ちるのに雪樺の瞳からはまるで興味なしの意がとれた。



やっぱり彼女は一筋縄ではいかないみたいみたいだ。



それでこそ燃えるものでもあるでしょ?









こっちを見て!



(力づくでも、振り向かせてやる。)


(絶対に、渡さない。)










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