短い文章
□戻ることも同じところにいる必要もない
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イナイレ
真・帝国後
源田→佐久間→鬼道
誰も罰を与えてくれないならば俺は自分で罰を...、
一歩踏み出し、また足下を見て一歩下がる。
躊躇している。
白いシーツがはためく音がする。
その音が心臓の音に似ていた。
病院なんて気味が悪い。
何もかもが真っ白で、汚い俺が浮き彫りになる様で怖かった。
どうにかなってしまいそうだった。
いや、ここ(病院の屋上)でこうしている時点でどうにかなってしまっているのかもしれない。
それともこの身体の中の鎮痛剤の所為でおかしくなってしまったのかもしれない。
心臓の音が五月蠅い。
心臓が瓶に閉じ困られた蝶のように動き回る。
何処か出口を探して飛び回る様に、心臓が俺という瓶から逃げた出そうとしていた。
だが逃げられはしない。
俺は周りを見回した。
人はいない。
もう一度3歩先を見ればみんな自分の事で精一杯だ。
ずっと小さな小人たちがせわしなく動いている。
俺の事なんて誰も見てやくれやしない。
寂しかった。
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