短い文章
□好きだから、壊しました
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それが妙に気持ち悪かった。
「愛してる」
それが妙に重かった。
彼女の愛は重すぎる。
俺にすべてを受け入れることなんてできない。
それほどまでに彼女の愛は壮大だ。
そして不可解で謎めいている。
「貴方はね、私のダッチワイフになるの」
彼女は俺の首筋に指を滑らせ、首を絞めてきた。
口から空気が漏れて、呼吸をしようとしても上手く出来ない。
段々脳に血液が溜まる様な感覚がして、血が熱くなって。
意識が遠のいた。
最後に見たのは彼女の微笑み。
「これで貴方はずっと私のモノ...」
耳に聞こえた彼女の声は酷く優しかった。
「あは、あははは!」
彼女の笑い声だけが響く。
好きだから、壊しました。
(殺して愛して。)
(まるでお人形ごっこだ。)
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