高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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今は部活の時間じゃなかっただろうか。
知識上で目の前彼はサッカー部だったはず。
生憎彼がサッカー部だという確証はないが、あちらこちらで3人の転校生がサッカー部に入ったと噂を聞いた。
あくまで噂だ。
私は噂を信じない主義だ。
間違った情報で痛い思いをするのはごめんだ。
それにしても他人に興味がない自分が彼を知っていた事には驚きだ。
よし、褒美に今日は自分の好物を思いっきり食べるとしよう。
鎖夜がそう決め込んだ時に砂を踏む音が聞こえた。
目の前の彼がどうやらしゃがみ込んだらしい。
「頭痛がするのか?」
目の前から投げかけられる言葉を無視し続ける。
はっきり言って(口には出さないが)彼...他人とはあまり関わりたくない。
お願いだから私に構わないでくれ。
関わりたくないから口には出さないが。
鎖夜は無言で立ち上がり、逃げるように...いや、風介から逃げ離れた。
ファーストコンタクト
(これが、この場所が、)
(全ての始まり。)
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