高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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『...大丈、夫...だから...、』
鎖夜は痛みと止まらない血液に顔を歪めながら答えた。
「なっ、何なんだよっ...お前ら!?」
「まさか、付き合ってんのかよっ!!?」
「キモッ!!」
「そうだよ、何か問題ある?」
少年達の言葉に星哉は肯定した。
少年達の言葉はまだ感情をコントロール仕切れていない星哉を怒らせるには十分だった。
星哉はポケットに隠し持っていたカッターナイフを取り出し、刃をまるでカウントダウンを行うかのようにカチ、カチ、カチ、と鳴らした。
カッターナイフの刃と星哉の瞳が狂ったように妖しく光った。
鎖夜は左の瑠璃色の隻眼で捕らえた星哉の姿に恐怖を覚えた。
激昂ではないの怒りをカッターナイフの刃と共に少年達に向けた。
「やっ、止めろォーーーっ!!!」
少年達の断末魔が校内に響いた。
鎖夜は目を逸らせずに少年達の死を目の当たりにしてしまった。
開いた瞳、だらりと力無く垂れた腕、流れる血、その血だまりの中心に星哉はいた。
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