高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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「鎖夜は俺のモノ...。鎖夜を傷付けるものなら俺が裁く。」
星哉は体中に返り血を浴び、人間だったモノを冷たい眼差して見下ろしていた。
「鎖夜...、好きだよ、好きだよ、愛してるよ....。」
鎖夜に近寄り、座り込んでる鎖夜を抱き締めた。
鎖夜は濃くなった血の匂いに目眩を覚えた。
「鎖夜、好き、好きだよ、大好き、愛してるよ...だから俺を嫌いにならないで、拒絶しないで、否定しないで...。」
鎖夜の肩に顎を乗せ、不安そうに囁く声。
『星哉、貴方は私との約束を破ったわ。
付き合っている事は誰にも知られてはいけない事、学校では必要最低しか関わってはいけない、私が酷い事されてても助けてはいけない。
貴方は同時に全ての約束を破ってしまったわ。』
鎖夜の口から紡がれる遠回しな別離の言葉。
遠くから先生の声が聞こえた。
「鎖夜、やだよ!俺っ鎖夜と別れたくないっ!!離れたくないっ!!もう約束破らないからっ!!だから俺を捨てないでっ!!!」
鎖夜はもう片方の瞳を閉じた。
『星哉...。』
鎖夜は言葉を失った。
星哉がこれほどまで自分に依存しているとは思わなかった。
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