高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
2ページ/3ページ
それは彼、涼野君も例外では無いはずなのに。
ファーストネームで呼んでいるのだからそれなりに仲がいいのだろう。
それよりも彼が言う"どこまでいった?"の意味が分からない。
何処まで...?
彼と何処かに出かけたことあるかって事?
鎖夜は彼が言った意味が分からず疑問符を浮かべた。
彼はいつまでも返答を返さない鎖夜に溜め息を吐いた。
「風介とキスしたりしてねェのかって事だよ。」
なんで私が彼とキスしなきゃならないのよ。
『貴方は誰彼構わす他人にキスするの?』
鎖夜がそう言えば彼は驚いた顔をした。
「お前、風介の彼女じゃねェのかよ?」
その言葉に今度は鎖夜が驚いた。
その反応から彼は自分の思い違いだと気付いた。
そして彼はニヤリと口角を上げ、鎖夜の手を掴んだ。
「俺と付き合えよ、鎖夜。」
人生二度目の告白だった。
.