高潔な氷晶と病みし双色

□高潔な氷晶と病みし双色
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先程の風介の声で居場所がバレたのだろう。



そう言えば今の時間は授業中だったなと思い出す。



「逃げるぞ!」



風介は鎖夜の腕を掴み、階段を駆け降り出した。



階段に慌ただしい足音と教師の怒声が響く。



引かれる腕が少し痛かった。



初めて彼の背中を見た。



いつも私が逃げるために背中を見せていたから気付かなかった。



逃げる彼の背中がなんとなく、頼もしかった。



なんで彼は私に構う?



鎖夜はそんな事を考えながら風介と上靴のまま校舎裏に駆け込んだ。



「ここまで来れば平気か...。」



風介はそっと先程の教師が追ってきていないか確かめた。



息一つ乱さず名前の通り涼しい顔をしている風介に腹が立った。



運動部はおろか部活にすら入ってない鎖夜は当然息が乱れる。



肩で呼吸を繰り返し、心臓を落ち着かせる。



「大丈夫か?」



サッカー部の彼にとってこれくらいの運動は運動と言えないのだろう。








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