高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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彼女はいつも私の傍にいてくれた。
誰よりも優先されている事に自惚れたりもした。
しかしそれは彼女にとって特別でも何でもない、単なる遊び程度のものだった。
私との付き合いは単なる遊び。
それを私は知っていた。
利用されようと構いやしない。
ただ傍にいたかった。
私は彼女に依存していたのだ。
誰も私に構わないから。
傍にいてくれた彼女意外見えなくなった。
私の彼女に対する感情は恋というよりは憧憬、憧憬というよりは崇拝に近かった。
彼女はそんな私を知っていた。
そして彼女は私の前から消えた。
最初からいなかったかのように。
でも一つだけ彼女がいた証拠がある。
私の首に唯一掛かっているロザリオ。
彼女とお揃いのロザリオだ。
彼女はお金持ちだからきっと高いんだろう。
未だに捨てられない。
ああ、何時まで私は彼女に依存しているんだ。
ああ、何時まで私の中に彼女は存在し続けるんだ。
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