高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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そう思うと少しは進歩したんじゃないか?
『勉強するのは嫌いじゃない...ただそれをテストするのがイヤなの....、』
前々から何度か変わっているとは思っていたが、本当に変わっている。
テストが嫌なのは理解出来るが、勉強するのは嫌じゃない。
知識欲はあるって事なのか?
『頑張っても頑張っても順位上がらないし、しまいには勉強まったくしてない人達に負けちゃたりしてるし...、』
鎖夜の言葉は後半小さくなってしまった。
そういえばもうすぐテストか。
「勉強、教えてやってもいい...。」
風介は鎖夜から目を逸らしながら言った。
鎖夜は風介を見上げた。
『涼野、君...。』
ちょっとだけ頬が赤い。
ああ、照れてるんだ。
可愛いなーなんて他人事のように思いながら口を開いた。
『ありがとう。』
ありがとうなんていうのはいつぶりだろうか。
なんだか恥ずかしい。
ありがとう
(最後に感謝の言葉を発したのは、)
(いつだっただろうか?)
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