高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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『南雲君はテスト勉強とかしてるの?』
晴矢はチラリとヒロトを盗み見たが、理由は結局分からない。
「わー、尚且つ無視。俺放置プレイとかそういう趣味ないんだけどなー。」
ヒロトは肩を竦め、苦笑したが、鎖夜がヒロトを視界に入れることはない。
そんな二人の様子を横目に風介はヒロトに小声で話し掛けた。
鎖夜に話掛けるのは得策じゃないと判断したからだ。
「ヒロト、本当に華月に何もしてないのか?」
咎めるような言いぐさ。
ヒロトが悪者前提な風介の言葉にヒロトは失礼ななんて声を漏らした。
勿論彼女に風介とヒロトの声は丸聞こえだ。
ヒロトがチラリと鎖夜を見れば鎖夜はヒロトを睨んでいた。
言うなと視線が訴えていた。
「あー、うん...俺の口からはなんとも...、」
ヒロトはそう言って言葉を濁した。
鎖夜はヒロトが何も言わなかったことに驚いた。
ヒロトならてっきり何か言って来ると思っていたから。
...何か企んでる...?
今度は猜疑を含んだ視線でヒロトを見る。
彼から返って来たのは不思議そうな顔。
盲目的無視
(結局テスト勉強はみんなでやることに。)
(邪魔者がいる。)
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