高潔な氷晶と病みし双色
□高潔な氷晶と病みし双色
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「晴矢にヒロト...二人して何している?」
「それはこっちの台詞だよ!俺と晴矢は風介を追い掛けてきたんだよ。」
ヒロトは息を吐き、どこに行く気?と続けた。
「華月がいないんだ。教室にも屋上にも...。だから...、」
「あっオイっ!!」
晴矢の静止も聞かず、風介は再び走り出した。
慌てて風介を二人が追う。
三人が校舎裏に付けばやっぱり鎖夜はいなかった。
代わりに鎖夜の眼帯だけが落ちていた。
「風介、」
背後から晴矢が風介の名前を呼ぶ。
しかし晴矢の言葉に振り返りもせず。
風介は眼帯を拾い上げた。
いつの間にか鎖夜に電話していたヒロトが口を開いた。
「ダメ。携帯も繋がらない。」
ヒロトは携帯をポケットに入れた。
先日交換したばかりの連絡先はどうやら電源が切れているらしく。
初めての電話が繋がらないとはなんとも切ない。
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