短い文章
□混沌
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彼...プロミネンスのキャプテン、バーンの目の前には彼の恋人、ダイヤモンドダストのキャプテンのガゼルがいた。
「私...その、」
ガゼルは躊躇するように言葉を止めた。
いや、言葉を探していた。
言いたい事があるのに、言葉が咽喉につかえて出てこない。
「受け止められないんだな。」
バーンが代わりに言葉を続けた。
金色の瞳が映すのは哀しみ。
「そう。」
ガゼルはその錆浅葱色の瞳を灰色のコンクリートでできた床に視線を落とした。
「俺の期待は重すぎた。」
俺は期待しすぎていたんだ。
何もかも上手くいく。
きっと誰にもバレやしない。
絶対に誰にも負けない。
きっとずっと一緒にいられる。
でも全てが上手くいく訳がなかった。
欠けていたのはガゼルの方だった。
無謀にも雷門に試合を挑むから。
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