短い文章
□混沌
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ホントなら行かせたくなたった。
ガゼルを誰かに見られるのは嫌だった。
だけどそうしなかったのはガゼルの意志だったから。
束縛して嫌われるのが怖かった。
「多分そう。」
多分ってなんだよ、なんでそんな不確かな事言うんだよ。
雷門の奴らに負けたのがそんなにショックかよ!
なんで足掻こうとしねェんだよ。
「ならこれで終わりか?」
バーンは否定の言葉を望んだが、叶わなかった。
「そうだな。」
終わりたくない、終わりたくない、終わりたくない!
「もう別れる。」
バーンが言う。
「もう別れる。」
ガゼルが言う。
「もう別れる。」
言い聞かすように一言バーンは繰り返し言った。
ホントは別れたくなんかない。
ガゼルだってホントはそう思ってるハズだ。
ずっと一緒だったから、好きだから、お互いの考えてる事は手を取るように分かる。
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