短い文章
□愛を語れるほど、まだ素直にはなれない
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いつの間にやら不動の腹の上には、いつも下で喘いでいる鬼道がいて。
不動は天地がひっくり返ったような驚きを感じた。
「上から見下ろすと言うのは随分と気分がいいものだな」
そう言ってセックスの最中とは全く違う、可愛げのないいつもの天才ゲームメーカーの顔で。
「俺を犯そうってか?いつも下で喘いでいるだけのお前がか?」
やり方知ってんのかよ?と嫌味ったらしく付け加えておく。
普段は俺の方が上だったはずなのに。
俺の方が賢いし、強いし、早かった筈だ。
それにキスもセックスも俺の方が上手い...ハズ。
いつの間にこうなったんだよ。
「俺だって男だ。やられてばかりではない」
「いつから偉くなったんだよ、鬼道ちゃんよォ」
いつの間にやら男を押し倒す事を覚えた目の前の男に、不動は驚いた。
「いつもただひたすら動物みたいに貪っているのには飽きただろう?」
鬼道の言葉に直ぐに口角が上がる。
「ハッ!ヤってみろよ、鬼道ちゃん?」
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