短い文章
□鏡は嫌いだ
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初めて見た。
鏡の向こうの自分と話している様で、
吐き気がした。
エイリア学園との戦いの途中で吹雪が二重人格だと知った。
それと同じような感じだ。
だがそれ以上に吹雪の方が辛かったに違いない。
吹雪は内に二人居たのだから。
俺と色違いの俺は、別物だ。
だがやはり、気分が悪い。
「オルフェウスが敗北した場合、チームKがイタリア代表選手となる」
ミスターKの言葉にニヤリと笑う色違いの俺。
昔の自分によく似ている。
昔の自分の姿を見るのは気分が悪い。
誰もが思う事だ。
それがいい思い出でも、悪い思いででも。
いい思い出ならばそれは昔の自分が恨めしい、今の自分が失敗してみたいで嫌だ。
だが反対に悪い思い出ならば古傷を抉られるようでそれもまたえげつなくて嫌だ。
だからこそ、俺はここまで進化し続けて来た。
円堂や、ジャパンの仲間たちと共に。
鏡は嫌いだ
(ああ、)
(気分が悪い。)
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