短い文章
□嫌いになるほど好き
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俺の兄貴、士郎を壁際まで追い詰めた。
鬼ごっこなんてそんな生半可でかわいいものじゃない(鬼、なんてものは凄く恐ろしいイメージがあるがそれよりもきっと残酷だろう)。
「やめっ、」
俺はこんなにもお前を求めてるのにどうして逃げる?
心結ばれないのなら無理にでも体を奪ってやる。
そう思って強引に唇を奪った。
「いやっ!!」
「いやなら、本気で抵抗しろよ」
俺の言葉に士郎は一時停止した。
「本気で暴れればいい、助けを呼べばいいさ」
「アツヤ...?」
「俺を拒絶する癖に、俺に怪我させたくなくて抵抗しないなんて...、ムカつく」
本気で抵抗すれば俺が怪我するからなんて考えが甘いんだよ。
その程度の抵抗なんて、ただの煽りだ。
気のないフリして、気を引こうとしているみたいで、ムカつく。
その思わせぶりで曖昧な態度がムカつく。
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