短い文章
□嫌いになるほど好き
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お前のそういう所が、嫌いだ。
「痛って、」
心を離していく癖に。
それで十分傷付いてるって言うのに、どうして体に傷を付けようとしないんだ。
証拠が残るからなのか。
そんなのは加害者になりたくない、いい子ぶりっこだ。
「ムカつくんだよっ!!」
俺は彼の顔の横に手を思いっきりついた。
ダンッと音を立てたコンクリート。
冷たくて、痛い。
意識が彼から右手の痛みに行く。
ジーンとして、手の平に一気に血液が流れ込み、赤くなる。
手を振って痺れと痛みを追い払おうとしたが、気休め程度にしかならなかった。
予想よりも痛かった。
マンガなんかではよくこういうシーンがあるが、実際やってみると痛い。
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