短い文章
□好き、愛してる。だから死んで?
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「怯えた顔して...大丈夫?」
彼女は俺の頬に手を滑らせた。
彼女の手が暖かいと思った。
自分の身体が緊張により冷えて行くのが分かる。
「大丈夫、私が傍にいるよ」
彼女はぎゅっと俺を抱きしめた。
いつもなら安心する体温も、声も、安心から遠ざかっていく。
「 、」
名前を呼べば背中に鋭い痛みが。
小さく呻き声を上げた俺は、痛みを彼女に押し付けるように彼女にしがみついた。
「好き、愛してる。だから死んで?」
彼女がフワリと綺麗に微笑んだのを最後に俺は目を閉じた。
好き、愛してる。だから死んで?
(これで貴方はずっと私のモノ...。)
(永遠にお前のモノになるしかない...。)
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