DETRAYAL
□二人の兄妹
1ページ/1ページ
『……うっ…うっ…』
「泣くなシルク、兄ちゃんがいるから。
オレがお前を守るから、」
―これは10年前の二人の兄妹の話
-------------------
あれから10年、
アルツという綺麗な街のトリット通り
青い屋根の大きな家には4人の家族が住んでいました。
「またスモークがやったよ
今度は隣町だ」
新聞を見ながら背の高い男性が口を開いた
---アルニッヒ・バートン:46
「まぁ、そろそろこの街も危ないんじゃない?」
---マリー・バートン:42
アルニッヒの妻、マリーは朝食の準備をしている
「おはよう、」
「あら
お早う、ギル。」
---ギル・バートン:21
階段から降りてきたのは息子のギル
父親譲りの長身に母親譲りの透き通る金髪だ
「シルクはまだかしら?」
「起きてたよ、父さん新聞どれ?」
バタバタバタ……
『お母さん!私のブラシどこ??!』
「あらごめんなさい
借りたままだったわ
その棚に、」
---シルク・バートン:17
「シルク、」
『あ、ごめんなさい、
おはようございます、』
父親に言われ挨拶したのは娘のシルク
母親に似た金髪と白い肌、深いブルーの瞳
この二人の兄妹、たくさんの愛情を注がれ、美しく、賢く、優しく、幸せに育ってきました
この日まではー
-------------------------
『じゃぁいってきます』
「オレももう行ってくる。」
「行ってらっしゃい」
晴れた日の日曜日、シルクは街へ買い物に
ギルは大学へと家から出ていった
「じゃぁな、シルク」
『うん、行ってらっしゃい。お兄ちゃん』
-------------------------
「お客様、こちらなんてどうでしょう?」
『あっこれ可愛い―!
これもくださーい』
満足げに店を出てきたシルクに二人の男が寄ってきた
「…シルク…バートンさんですか……?」
『??……はい…?』
警察官だった。
深刻そうな表情を浮かべている
「一緒に…来てもらえますか…?」
『?…どこに…?』
「………………」
二人の警察官は顔を見合わせた
「…バ…バートン夫妻が……」
「スモークに殺害されました…―」
『―…え……?…』