DETRAYAL

□二人の兄妹
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『……うっ…うっ…』

「泣くなシルク、兄ちゃんがいるから。
オレがお前を守るから、」


―これは10年前の二人の兄妹の話

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あれから10年、

アルツという綺麗な街のトリット通り

青い屋根の大きな家には4人の家族が住んでいました。



「またスモークがやったよ
今度は隣町だ」

新聞を見ながら背の高い男性が口を開いた

---アルニッヒ・バートン:46


「まぁ、そろそろこの街も危ないんじゃない?」

---マリー・バートン:42

アルニッヒの妻、マリーは朝食の準備をしている

「おはよう、」

「あら
お早う、ギル。」


---ギル・バートン:21

階段から降りてきたのは息子のギル
父親譲りの長身に母親譲りの透き通る金髪だ

「シルクはまだかしら?」

「起きてたよ、父さん新聞どれ?」


バタバタバタ……

『お母さん!私のブラシどこ??!』

「あらごめんなさい
借りたままだったわ
その棚に、」

---シルク・バートン:17


「シルク、」

『あ、ごめんなさい、
おはようございます、』


父親に言われ挨拶したのは娘のシルク

母親に似た金髪と白い肌、深いブルーの瞳



この二人の兄妹、たくさんの愛情を注がれ、美しく、賢く、優しく、幸せに育ってきました

この日まではー


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『じゃぁいってきます』

「オレももう行ってくる。」


「行ってらっしゃい」

晴れた日の日曜日、シルクは街へ買い物に
ギルは大学へと家から出ていった


「じゃぁな、シルク」

『うん、行ってらっしゃい。お兄ちゃん』


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「お客様、こちらなんてどうでしょう?」

『あっこれ可愛い―!
これもくださーい』


満足げに店を出てきたシルクに二人の男が寄ってきた


「…シルク…バートンさんですか……?」

『??……はい…?』

警察官だった。
深刻そうな表情を浮かべている


「一緒に…来てもらえますか…?」

『?…どこに…?』


「………………」

二人の警察官は顔を見合わせた


「…バ…バートン夫妻が……」




 「スモークに殺害されました…―」



  『―…え……?…』

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