Prince of tennis

□ハッピーバレンタイン
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二月十四日。

今日は年に一度のバレンタイン・デー。





「リョーマくん!」

部室へと向かうリョーマを、桜乃が止めた。


「・・竜崎、何か用?」


「うん!部室に言ったら言うね!」


真っ白な紙袋を片手に持ち、桜乃は白い息を吐いた。





部室にはまだ誰もいなく、リョーマと桜乃の二人きりになった。


「それで?用は?」


「うん!えっとね・・・」

桜乃は紙袋の中にごそごそと手を入れ探る。


「あった!ハイ、これ・・」


ピンク色の小さな箱をリョーマに差し出す。


「・・何コレ」

「ふえっ・・・。ち・・チョコだよ?」

桜乃はリョーマくんのことだししょうがないか、と思いながら無理に箱を突き出す。


「なんでチョコ?」


「きっ・・今日は・・・バレンタインデーでしょ?だからリョーマくんにもらってほしくて・・・」


「・・あ、そうか。サンキュ」


優しく礼をすると、箱をバッグの中に入れる。


すると、リョーマがあることに気付く。



「竜崎、まだその中にチョコ残ってるけど、何それ?」


「ああ、部員の人たちみんなの分だよ。朋ちゃんと手分けして作ったの。あっ、でもリョーマくんのは私一人で・・・」

後から頬がポッと赤くなった。



「そっか。ありがとな」


そう言うと、リョーマはぐいっと桜乃を壁に押し付け、不意打ちに唇を重ねた。


「りょ・・・」

言いかけると真赤かになり今にも座り込みそうになる。


「竜崎?大丈夫?」


「ふあ・・?う・・うん・・・」


「それならいいか」


リョーマはニヤと微かに笑みを浮かべ、桜乃の唇にキスをし、どんどん深くキスをしていく。


「ふぁ・・リョーマく・・・」


キスはだんだん下に行き、舌で首筋を舐める。



「んっ・・・」



すると


二球のテニスボールが飛んできた。



「ハイそこイチャつかなぁい」
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