Prince of tennis
□ハッピーバレンタイン
1ページ/3ページ
二月十四日。
今日は年に一度のバレンタイン・デー。
「リョーマくん!」
部室へと向かうリョーマを、桜乃が止めた。
「・・竜崎、何か用?」
「うん!部室に言ったら言うね!」
真っ白な紙袋を片手に持ち、桜乃は白い息を吐いた。
部室にはまだ誰もいなく、リョーマと桜乃の二人きりになった。
「それで?用は?」
「うん!えっとね・・・」
桜乃は紙袋の中にごそごそと手を入れ探る。
「あった!ハイ、これ・・」
ピンク色の小さな箱をリョーマに差し出す。
「・・何コレ」
「ふえっ・・・。ち・・チョコだよ?」
桜乃はリョーマくんのことだししょうがないか、と思いながら無理に箱を突き出す。
「なんでチョコ?」
「きっ・・今日は・・・バレンタインデーでしょ?だからリョーマくんにもらってほしくて・・・」
「・・あ、そうか。サンキュ」
優しく礼をすると、箱をバッグの中に入れる。
すると、リョーマがあることに気付く。
「竜崎、まだその中にチョコ残ってるけど、何それ?」
「ああ、部員の人たちみんなの分だよ。朋ちゃんと手分けして作ったの。あっ、でもリョーマくんのは私一人で・・・」
後から頬がポッと赤くなった。
「そっか。ありがとな」
そう言うと、リョーマはぐいっと桜乃を壁に押し付け、不意打ちに唇を重ねた。
「りょ・・・」
言いかけると真赤かになり今にも座り込みそうになる。
「竜崎?大丈夫?」
「ふあ・・?う・・うん・・・」
「それならいいか」
リョーマはニヤと微かに笑みを浮かべ、桜乃の唇にキスをし、どんどん深くキスをしていく。
「ふぁ・・リョーマく・・・」
キスはだんだん下に行き、舌で首筋を舐める。
「んっ・・・」
すると
二球のテニスボールが飛んできた。
「ハイそこイチャつかなぁい」