声を聞かせて(ブック)
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あいつに気付いたのは、
ほんの偶然。
いつもテニスコートを見つめている女。
最初は、いつものファンかと思って、気にも止めなかった。
でも、何か違う、瞳。
近づいてくる訳でもなく、かといって離れていく訳でもない。
一体何を見ているのか、気になって。
いつの間にか、気付いたら目で追ってしまうようになっていた。
『声を聞かせて・5』
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