短編小説
□名前も知らないけれど
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いつも通りの、朝。
毎日利用している、いつもの電車に乗る。
空いていた席に座って、ふと顔を上げると、
向かいに座っている、綺麗な男の人に、視線が釘付けになった。
ううん、違う。
綺麗な顔
確かにそれはそうだけど、それよりも。
隣に座る女の人に向ける、
優しい表情。
穏やかな雰囲気。
初対面で、話した訳でもないのに、
きっと、もう二度と会うことはないだろうに、
私は彼に、恋をしていた。
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