ハロウィン
□1夜
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ほら、午前零時になると聞こえてくるよ?
コツ コツ コツ コツ
少女がレンガの道を歩いて行く。
今は10月30日午後11時59分。
「後1分・・・・・ね」
少女は広場で足を止め、噴水を見つめた。
「うん、いいかも」
時刻は間もなく10月31日 午前零時。
少女は左手に持っていた身の丈より少し長い杖を一回くるりと回し、レンガの道を一回叩いた。
すると少女の周りに淡い光が発生し、噴水の水が様々な色にキラキラと発光し始めた。
そして少女はもう一度杖で道を叩く。
噴水はとても大きく上がり、おそらくは街のどこからでも見れたことだろう。
同時に、鐘の音が街に静かに響いた。
少女は微笑み、言葉を落とす。
「Happy Halloween」
そして、陽が昇る。
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