ハロウィン

□5夜
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気をつけて・・・・・・闇に呑まれぬように、ね?






その道には一匹の黒猫がいた。



時刻は10月30日 午後11時58分。





その黒猫は街灯の明かりに照らされている道を歩いている。




不意にその猫は耳をピクッと動かした。


時刻はいつの間にか10月31日 午前零時。



聞こえてくる鐘の音と高く上がった噴水をしばし見つめ、その猫は再び歩き出した。



そして猫は暗闇に消えていく。


 





ハロウィンが始まった朝、僕は二人の人と一緒にいた。


アルカさんとハルさんだ。






「あのなぁ〜、アルドット。お前子供じゃないんだから」

「何言ってるんですか!どこをどう見たって子供じゃないですか、僕!」

「いや、まあそうなんだけどよ。問題は見た目じゃなくて」

「まあいいじゃないアルカ。アルドットは私がついて行くわ」

「いいんですか?ハルさん」

「ええ。さあ行きましょう?アルドット」

「はぁ〜い!!あ、そうだ。アルカさん、ハルさん、今晩は仕事だそうです」

「あら、久しぶりね〜」

「分かった。会った奴にも伝えとくよ」

「お願いしますね」

「ああ」






ハルさんが間に入ってくれたおかげで僕とアルカさんの言い争いは終わった。


う〜ん、やっぱりハルさんは優しいです。


あ、もちろんアルカさんも優しいです!




アルカさんは僕をハルさんに預けた後、すぐに一人歩き出してしまった。


ハルさんは僕に視線を落とし、尋ねた。





「さて、どこに行きましょうか?」

「とりあえず適当に歩きましょう!」




僕はいろんな意味でハロウィンが大好きなのでウキウキした声で答えた。





「そうね。じゃあ適当に歩きましょうか」

「はい!!」





ハルさんもそう答えてくれたので僕はハルさんと街を適当に歩き始めた。




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