その他
□君に贈る、誓いのkiss
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初めて見た時、そう。
朝、君と目が合った時から興味が湧いた。
大して力も無くて弱虫で、泣き虫で。
けど、誰よりも正義感と仲間意識が強い君。
ほんっと・・・可愛いね。
雪輝君は。
「ねぇ、雪輝君・・・一つ訊きたい事があるんだけど、いいかな?」
「え、あ・・・うん。何?」
放課後。
まだ、我妻さんが来る前に君と二人っきりで話をしてみたかったんだ。
あの後の・・・確か、10thだっけ?
その事件以来、彼女は雪輝君に付きまとっていたからね。
こうやって君と話せるのは、今しかない。
「あの事件の事・・・覚えてる?日向」
「うん。覚えてるよ」
僕の言葉を遮って、雪輝君は俯きながら呟く。
僕は雪輝君の隣の席・・・自分の席に座って頬杖をつき、微笑んだ。
「気にしなくていいよっ。あれは君のせいじゃない」
そう言えば、雪輝君は黙って小さく頷いた。
「そ、それで・・・僕に訊きたい事って・・・・なに?」
「ああっ、そうだったね」
先程座ったばかりの席から立ち上がって、雪輝君に歩み寄る。
雪輝君は俯かせていた顔を上げ、僕を揺れる瞳で見つめてくる。
んー。
僕より身長が少し低いから、上目遣いに見えちゃうんだよねぇ。それ。
「僕は友達というラインを超えて好きなんだ。雪輝君の事がっ」
我妻さんに言った事を、そのまま同じことを楽しそうにそう言ったら、雪輝君の目が小さく見開かれ、次にはキョトンとした顔になった。
「それって・・・・親友って事?」
あっはは。
ん〜、ちょーっと違うかなぁ。
ほんとに、可愛いなぁ。
でも、まぁ・・・・。
「うん。雪輝君がそう思うのなら・・・いいよ、そういう事で」
「何だよ、それ」
苦笑を零す雪輝君の頬に、そっと人差し指の甲を滑らす。
ああ、そういえば君に初めて触れた時も、こうやって触れたっけ。
「秋瀬君・・・?」
「・・・・雪輝君。僕も君を守れないかな?」
「へ?」
正直、未来日記を所持していない僕からしたら、日記とか神様とか、そんなものはどうでもいい。
けど、僕は・・・
「僕も、我妻さんのように・・・いや、我妻さん以上に君を護りたい」
君を神の座に着かせるために護るとか、そういう意味の方じゃなくて。
ただ、本当に純粋に君を護りたい。
だけと君は絶対に、こう言うだろうな。
不意に、雪輝君が小さく噴き出して頬に触れている僕の手に、自分の手を重ねてきた。
「秋瀬君、君は僕の大切な友達だ。だから日記とか、そんなの関係なしで僕の傍に居てよ」
ほら。
やっぱり言うと思った。
日記所有者じゃない、一般の僕を巻き込みたくないから、そう言うんだろ?
全く、彼女が羨ましいよ。
「我妻さんには・・・内緒だよ?」
「へ?・・・ぅっ」
ちゅっ、と可愛らしい音をたてて、静かに雪輝君の額に口づける。
反射的に目を瞑った雪輝君も可愛いな、なんて思いながら静かに顔を離す。
すると、瞬時に彼は瞳を見開かせ、顔を真っ赤にさせた。
「え、なに・・・」
「僕は君の傍に居るよ。ずっと、ね。けど同時に君を“友達”として護らせてもらうよっ」
その誓いのキス。
とウィンクしながら言えば、彼は額を抑えながら赤い顔のまま、一人、混乱しだした。
こんな顔もするんだなぁー。
やっぱ、雪輝君は可愛いなー。
僕達の間に、何ともいえない雰囲気が漂う中、激しい靴音とともに、女の子の声が廊下から聞こえてきた。
「ユッキィイィイイイィイイッ!!!!!」
「ゆ、由乃っ!?」
「あっは。バレちゃったかな?」
そういえば、彼女も日記所有者だったけ。
これはマズイなぁ。
彼女を敵に廻すと怖いし。
「じゃあね、雪輝君。次は口にさせてもらうよっ」
じゃっ、と片手を上げて、我妻さんが来る前に鞄を肩に掛け、廊下に出て走り出す。
最後に背中から我妻さんの殺気とともに、雪輝君の慌てたような声が聞こえた。
それに僕は、フッと小さく笑って笑みを刻んだ。
その頃、教室では・・・・
「ちょ、秋瀬君!?」
「ユッキィイッ!!アイツと二人で何してたの!!?」
「ゆ、ゆゆ由乃っ?!いや、あの・・・さ」
「ユッキー!!」
「だ、だから・・・・っ、うわぁああぁあああんっ!!!秋瀬君のバカアァアアァアアッ!!!!」
end.
秋瀬君の口調がイマイチよく分からない(-_-;)
てゆぅか、秋瀬君って由乃ちゃんの事、名字呼びだったけ?
あっるぇ?←
とりあえず、駄文を申し訳ありませんでしたm(_ _)m